フラットカーテンとは?メリット・デメリット、ヒダありとの違いや採寸方法を解説

フラットカーテンとは、カーテン上部にヒダを取らない、すっきりとしたデザインが特徴のカーテンです。
生地の柄や素材感をそのまま楽しめるため、インテリアにこだわりたい方から人気を集めています。
この記事では、フラットカーテンの基本的な特徴から、一般的なヒダありカーテンとの違い、メリット・デメリットを詳しく解説します。
さらに、購入で失敗しないための正しい採寸方法や選び方のコツも紹介するので、ぜひカーテン選びの参考にしてください。
フラットカーテンとは?ヒダのないシンプルなデザインのカーテン
フラットカーテンとは、カーテンの上部につまみを作る「ヒダ」がない、文字通りフラットなカーテンのことを指します。
一般的なカーテンに見られるドレープ(凹凸)がなく、布をそのまま吊るしたようなシンプルな見た目が最大の特徴です。
このヒダなしのスタイルにより、カーテン生地が持つデザインや柄、素材感を最大限に活かせます。
そのため、大きな柄の生地や天然素材の風合いを楽しみたい場合に適しており、すっきりとしてモダンなイメージの窓辺を演出できます。
一般的なヒダありカーテンとの見た目や機能の違い
一般的なカーテンは窓の幅に対して1.5倍や2倍の生地を使い、ヒダを作ることで豊かなドレープ(凹凸)を生み出します。
このヒダが、見た目に豪華さやクラシックな印象を与えるのに対し、フラットカーテンはシンプルでモダンな印象になります。
機能面では、ヒダの裏側にできる空気の層が断熱効果や遮音・防音効果を高める役割を担っています。
フラットカーテンにはこのヒダによる空気層が少ないため、機能性を重視する場合は生地自体の性能を確認することが重要です。

一般的なヒダありカーテンとの見た目や機能の違い
フラットカーテンには、デザイン性や使いやすさなど、多くのメリットがあります。
生地の魅力を最大限に引き出し、部屋を広く見せる効果も期待できるため、シンプルなインテリアを好む方におすすめです。
ここでは、フラットカーテンを設置する具体的な5つのメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。
メリット①:カーテン生地の柄や素材感を最大限に活かせる
フラットカーテンの最大のメリットは、ヒダがないことで生地そのもののデザインや質感を存分に楽しめる点にあります。
大きな柄や個性的なデザインの生地も、ヒダに隠れることなく、まるで一枚の絵画のように見せることが可能です。
特に、リネンやコットンといった天然素材が持つ、自然な風合いや柔らかな質感をそのまま感じられます。
無地の生地を選んだ場合でも、素材感が際立ち、洗練された雰囲気を演出できるでしょう。
生地にこだわりたい方にとって、フラットカーテンは最適なスタイルです。
メリット②:圧迫感がなく部屋を広くすっきりと見せられる
ヒダによる凹凸やボリュームがないフラットカーテンは、壁にかけたタペストリーのようにすっきりとした印象を与えます。
カーテンを閉めたときも圧迫感が少なく、空間を広く見せる効果が期待できます。
このシンプルな見た目は、モダンや北欧、ミニマルといった現代的なインテリアスタイルと非常に相性が良いです。
ごちゃごちゃした印象を与えず、窓辺をシンプルにまとめたい場合や、おしゃれで開放感のある部屋作りを目指す場合に適した選択肢と言えます。
メリット③:ヒダがない分、開閉がスムーズで扱いやすい
フラットカーテンは、上部が平らな構造のため、カーテンレール上のランナーに生地が引っかかりにくいという利点があります。
ヒダがあるカーテンは、その凹凸が原因で開閉時に抵抗を感じることがありますが、フラットカーテンは滑るようにスムーズな開け閉めが可能です。
特に、幅の広い掃き出し窓や、毎日頻繁に開閉するリビングの窓などでの使用において、この扱いやすさは日々の小さなストレスを軽減します。
構造がシンプルな分、直感的に扱いやすい点も魅力の一つです。

メリット④:使う生地が少なくリーズナブルな場合が多い
カーテンをオーダーする際、価格は使用する生地の量に大きく影響されます。
ヒダありカーテンが窓の幅に対して1.5倍から2倍の生地を必要とするのに対し、フラットカーテンは1.1倍から1.3倍程度の生地で製作できます。
そのため、同じグレードの生地で比較した場合、フラットカーテンの方が価格を安く抑えられる傾向にあります。
予算に限りがあるけれど、気に入ったデザインの生地でオーダーしたいという場合に、フラットカーテンはコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
メリット⑤:自宅で洗濯しやすくお手入れが簡単
ヒダのあるカーテンは、ヒダ山部分の生地が重なっているため、洗濯後に乾きにくいことがあります。
一方、フラットカーテンは全体が均一な厚みであるため、比較的乾きやすく、自宅での洗濯が容易です。
また、構造が非常にシンプルなため、自作や手作りにも挑戦しやすいという特徴があります。
市販のカーテン用の芯地とフックを使えば、直線縫いだけでオリジナルのカーテンを作ることが可能です。
このシンプルな作り方が、結果的にお手入れのしやすさにもつながっています。

導入前に確認したいフラットカーテンの4つのデメリット
多くのメリットがあるフラットカーテンですが、導入してから後悔しないためには、いくつかのデメリットや注意点も理解しておく必要があります。
デザインや機能性に関する特性が、場合によっては使いにくさにつながる可能性も考えられます。
ここでは、フラットカーテンを選ぶ前に知っておきたい4つのデメリットを解説し、対策についても触れていきます。
デメリット①:カーテンを束ねた際にボリュームが出てまとまりにくい
ヒダありカーテンは、ヒダの形状に沿ってアコーディオンのように綺麗に折りたたまれるため、束ねたときにすっきりと収まります。
しかし、フラットカーテンはヒダがないため、生地をそのまま寄せる形となり、特に厚手の生地の場合はごわついてボリュームが出やすい傾向があります。
デメリット②:ヒダの空気層が減るため断熱性が少し劣る
カーテンのヒダが作る波形の隙間は、窓ガラスと室内の間に空気の層を生み出し、外気の熱や冷気が室内に伝わるのを防ぐ断熱効果を高めます。
フラットカーテンにはこのヒダによる空気層がないため、ヒダありカーテンと比較すると断熱性が若干劣る可能性があります。
もし断熱性能を重視するのであれば、生地自体に断熱機能や遮光機能、UVカット機能がついたものを選ぶことで、このデメリットを補うことが可能です。
特に冬場の寒さや夏場の暑さが気になる部屋では、生地の機能性に注目すると良いでしょう。
デメリット③:閉じたときにウェーブが出にくく単調に見えることがある
フラットカーテンは、ヒダ加工を施さないため、カーテンを閉じた際には生地が持つ自然な揺らぎや、吊るした際のゆるやかなウェーブだけが見られます。
そのため、ゆとり分を少なくしすぎると、まるで一枚の布を垂らしただけのようになり、単調で味気ない印象を与えてしまうことがあります。
美しいドレープや豪華な雰囲気を求める場合には、物足りなさを感じるかもしれません。
適度なウェーブ感を出すためには、仕上がり幅の計算で十分なゆとりを持たせることが重要になります。
デメリット④:生地の隙間から光が漏れやすい可能性がある
フラットカーテンは上部が平らなため、カーテンレールとカーテンの間に隙間が生じやすく、光が漏れてしまうことがあります。
特に、朝日や西日が直接当たる窓では気になるかもしれません。
また、カーテンの両サイドも壁に密着しにくいため、横からの光漏れにも注意が必要です。
寝室などで完全な遮光を求める場合には、遮光性の高い生地を選ぶだけでなく、リターン仕様にするなどの対策が考えられます。
レースカーテンと組み合わせる際も、日中のプライバシーを守るためには遮像機能のある生地を選ぶと安心です。
失敗しないフラットカーテンの選び方と採寸のコツ
フラットカーテンを美しく快適に使うためには、選び方と採寸にいくつかのコツがあります。
特に仕上がりの印象を大きく左右する横幅の決め方は重要なポイントです。
また窓の種類に合わせた丈の調整や、カーテンレールの種類に応じたフックの選択も欠かせません。
ここではフラットカーテン選びで失敗しないための具体的な方法を詳しく解説していきます。
【重要】横幅サイズの正しい測り方と計算方法
フラットカーテンの横幅サイズを決めるには、まずカーテンレールの両端にある固定ランナー間の寸法を正確に測ります。
この測った幅が基準となります。
次に、この幅に「ゆとり分」の倍率を掛けて仕上がり幅を計算します。この倍率が、カーテンを閉じたときのウェーブ感を決定する重要な要素です。
ゆとりを抑えたフラットな見た目にしたい場合は1.1倍〜1.2倍、自然で豊かなウェーブが欲しい場合は1.3倍〜1.5倍が目安です。
※ジャストカーテンオンラインショップではフラットカーテンをお選びの場合、幅サイズを指定サイズ+20%に仕上げます。
例えば、レールの幅が200cmで1.3倍のゆとりを持たせたい場合、仕上がり幅は260cmとなります。
最低でも1.1倍のゆとりがないと、生地が突っ張ってしまうため注意が必要です。
カーテンの丈は窓のタイプに合わせて決める
カーテンの丈(長さ)は、窓の種類によって最適な長さが異なります。
床まである大きな「掃き出し窓」の場合、カーテンレールのランナーの輪の下から床までの長さを測り、そこから1cm引いた長さが一般的です。
これにより、カーテンが床に擦れるのを防ぎます。
一方、腰の高さにある「腰高窓」の場合は、同様にランナーの下から窓枠の下までを測り、そこから10㎝~15㎝程度長くするのがおすすめです。
こうすることで、窓枠を完全に覆い、光漏れを防ぎつつ見た目のバランスも良くなります。
正確な採寸が、美しい仕上がりにつながります。
フックの種類はAフックとBフックから選ぶ
カーテンフックには、主にAフックとBフックの2種類があり、カーテンレールの見え方が異なります。
Aフックは、カーテンを取り付けた際にレールが見える仕様で、装飾レールや天井付けのレールに適しています。
一方、Bフックはカーテンでレールを隠す仕様で、主に機能性レールに使われ、光漏れを軽減する効果があります。
現在では、数センチの丈調整が可能なアジャスターフックが主流です。
どちらのフックを選ぶかは、使用しているカーテンレールの種類や、どのような見せ方にしたいかによって決まります。
正しい取り付け方を選ぶことで、窓辺の印象が大きく変わります。
フックの種類
Aフック
カーテンを吊るしたときにカーテンレール見えるタイプ。(フックから上に約1㎝の立ち上がり)
Bフック
カーテンを吊るしたときにカーテンレールが隠れるタイプ。(フックから上に約4㎝の立ち上がり)
カーテンのフックはAフックとBフックが主流ですが、実はCフックもあります。
AフックとBフックの中間位の立ち上がりになります。(フックから上に約3㎝の立ち上がり。)
★AフックとBフック、実は同じものなんです。
フックの位置を上に設置しているのがAフック
フックの位置を下に設置しているのがBフック
アジャスターフックの付け替え方
ジャストカーテンではお選びいただくフックによってカーテンの総丈(生地の上部から下部までの長さ)が変わります。
【Aフック】をお選びの場合はご注文サイズに+1cmした高さ
【Bフック】をお選びの場合はご注文サイズに+3~4cmした高さ
を工場で計算して縫製します。
Aフックの場合はカーテンの丈を下方向(伸ばす方向)に約1cm、上方向(縮める方向)に約4cm調整できます。
Aフックの場合
Bフックの場合はカーテンの丈を下方向(伸ばす方向)に約4cm 、上方向(縮める方向)に約1cm調整できます。
Bフックの場合
アジャスターフックで高さを調整すると、見た目が悪くなったり、レールや天井に干渉する可能性や思いもしなかったような弊害がでることがあります。あまり頼りすぎず、正しいサイズを測りましょう。
カーテンの採寸について詳しくはこちら
厚手の生地には形状記憶加工を追加するのがおすすめ
フラットカーテンは自然なウェーブが魅力ですが、厚手でハリのある生地の場合、ウェーブがきれいに出にくく、ごわついて広がりやすいことがあります。
この問題を解決し、美しいウェーブを保つために有効なのが形状記憶加工や形態安定加工です。
これらの加工を施すことで、洗濯後も美しいウェーブを演出します。(洗濯5回程度まで効果が持続)
特に形態安定加工は、柔らかなウェーブをキープするのに適しています。
カーテンを開けて束ねた際もすっきりとまとまりやすくなるため、厚手の生地を選ぶ際や、常に整った見た目を希望する場合には、加工の追加を検討すると良いでしょう。
フラットカーテンはこんな部屋や人におすすめ
フラットカーテンのシンプルで洗練されたデザインは、特定のインテリアスタイルや用途に非常にマッチします。
圧迫感のないすっきりとした見た目は、空間を広く見せたい場合に有効です。
また、生地のデザインをそのまま活かせるという特性は、カーテンを部屋の主役にしたいと考える人にとって魅力的です。
ここでは、フラットカーテンがどのような部屋や人に特におすすめできるのか、具体的な例を挙げて紹介します。
北欧風やモダンなどシンプルなインテリアにしたい人
フラットカーテンのすっきりとした直線的なデザインは、余計な装飾を排したシンプルなインテリアと非常に相性が良いです。
特に、木の温もりと機能性を重視する北欧風のインテリアや、無機質で洗練されたモダンスタイルのリビングには最適です。
アイボリーやホワイトといったベーシックなカラーを選べば、壁面と一体化し、空間に広がりと落ち着きをもたらします。
家具や小物のデザインを引き立てつつ、上品で整った空間を演出したい場合に適しています。
大胆な柄のカーテンを部屋のアクセントにしたい人
お気に入りのデザインや柄の生地を窓辺に取り入れたい人にとって、フラットカーテンは最適な選択です。
ヒダによって柄が途切れたり隠れたりすることがないため、生地のデザインを一枚の絵のようにそのまま楽しむことができます。
部屋の間仕切りや目隠しとして使いたい人
フラットカーテンは開閉がスムーズで、閉じたときもヒダのボリュームがないため、部屋を区切る間仕切りや、収納スペースの目隠しとしての用途にも適しています。
圧迫感なく空間を仕切ることができ、必要に応じて開閉できるため、ワンルームマンションなどで空間を柔軟に使いたい場合に便利です。
設置場所の幅に合わせて片開きや両開きを選べるのも利点です。
通常の窓に設置する厚手とレースのダブル使いだけでなく、軽やかな生地一枚で仕切りとして活用するなど、多様な使い方ができます。
まとめ
フラットカーテンは、上部にヒダがないシンプルなデザインが特徴です。
生地本来の柄や素材感を最大限に活かせ、部屋をすっきりと広く見せる効果があります。
メリットとしては、デザイン性の高さ、開閉のしやすさ、そして比較的リーズナブルである点が挙げられます。
一方で、束ねた際にまとまりにくい、ヒダありに比べて断熱性がやや劣るといったデメリットも存在します。
フラットカーテンを選ぶ際は、特に横幅の採寸が重要です。
レールの幅に対し1.1倍から1.5倍のゆとりを持たせることで、好みのウェーブ感に調整できます。
これらの特性を理解し、部屋の用途やインテリアに合わせて選ぶことが大切です。
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